アルコール依存症とは
アルコール依存症はお酒を飲む人なら男女を問わず誰でもかかる可能性のある病気です。患者数は、全国で80万人とも言われますが、依存症の専門治療を受けている方は、その中の数万人にすぎません。
アルコール依存症は進行し、しだいにお酒なしではいられなくなると同時に大量飲酒によって引き起こされる生活習慣病でもあります。初めは単なる習慣のつもりで飲んでいても、次第にお酒に頼って、ついお酒に手が出るようになり、そのうち少量では、酔えなくなってきます。さらにお酒が切れるとイライラする、手が震える、眠れない、汗をかく、吐くなどの(離脱)症状が出てきます。また、お酒を飲み続け、食事も摂らず『飲んでは寝る』を繰り返すこともあります。
依存症になると、家族や仕事など、これまで大切にしていたものより、飲酒が優先されるようになります。また、離脱症状(禁断症状)や、一日中アルコールが抜けない状態が何日間も続く連続飲酒といった症状が出現してきます。一旦依存症になると、程よく飲んでいたころの体質に戻ることありません。その結果、たとえ長期間断酒が出来たとしても、再度飲酒してしまうと、元の飲酒パターンに戻るという特徴を持っています。
一方で断酒によって健康と健全な生活を取り戻すことのできる治療可能な病気でもあります。回復を目指して、まずは受診する勇気を持ちましょう。誰にでも回復のチャンスは必ずあります。
当院のアルコール依存症の入院治療
特徴
- 岐阜県最大のアルコール依存症入院治療施設
- 昭和55年に開院以来、アルコール依存症治療を専門に治療をしています。
- ARP(アルコール・リハビリテーション・プログラム)が充実しています。
- 内科的検査・治療から教育治療まで治療を受けることができる
- 入院期間は2か月〜3か月
入院治療の流れ
離脱症状(禁断症状)の治療 (約2週間)
- 頭部MRI、腹部CT、上部消化管内視鏡検査、各種血液検査などの内科的検査・治療
精神科開放病棟にて行われているARP(約2か月)
身体的にも落ち着き、断酒教育を受ける準備が整ってから、
- お酒に結びつきやすい考えにフォーカスをあてた“久里浜式認知行動療法”名称KAGAYAKI-A
- 患者様によって運営される“各務原病院新生会”による朝のミーティング
- 医師等による酒害教育、退院後の生活に備えた“週末外泊訓練”、抗酒剤服用、自助グループ参加、作業療法などからなる様々なプログラム
当院のアルコール依存症の外来治療
特徴
- 依存症の診療は、休診日を除き随時診療しています。
- 初診時は、看護師等により病歴や家族構成など詳細な面接や、多職種による関わり
- 内科医、精神科医による診察
- 初診も紹介状なしでも受診可能。予約も不要。
- 年間約700人 近い症例数と約40年の実績
外来治療の流れ
- 木曜ミーティング・行軍・酒害教育・書籍講読会への参加が可能。
- 患者様が主体的に行っているピア・カウンセリングへの参加。
今後、比較的軽度のアルコール依存症者、入院治療後の方、何らかの事情で入院困難な方向けの外来治療プログラムを開発中です。決まり次第順次ご案内させて頂きます。
家族教室のご案内
各務原病院では、アルコール依存症者の家族を対象にした家族教室を行っています。医師・心理士・看護師が担当しております。アルコール依存症は『家族を巻き込む病気』です。家族の方はアルコール依存症に巻き込まれ疲弊し自分らしさを失っています。 また、依存症の家族は、孤立して家族だけで抱え込んでしまいがちです。家族教室では同じ体験を持った家族同士がお互いの悩みを語れる場となっています。
アルコール依存症に対する知識や本人への対応の仕方などを知って頂くために、病院スタッフによるミニ講義やクラフトなども行っています。アルコール依存症で悩まれている家族の方であればどなたでも参加できます。
家族教室プログラム
対象者 | アルコール依存症者を抱える家族の方入院・外来は問いません。 |
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参加費 | 無料 |
曜日 | 第1 木曜日(本人・家族合同ミーティング) 第2・3・4・5週 木曜日(家族の方のみの、ミニ講義・クラフト・ミーティング) |
時間 | 13:00〜15:00 |
場所 | 西館2階 大会議室 |